乳がん自己検診のすすめ
乳がんは自分で見つけることが出来る、数少ないがんの一つです。
実際自分でしこりや異変に気付き、医療機関を受診される方は少なくはありません。
ですのでぜひ月に1回、日にちを決めて自己検診することをお勧めします。
乳がんの現状
数年前までは、20人に1人が乳がんに罹患すると言われていましたが、あれよあれよと言う間に、16人に1人になり、12人に1人になり、今では10人に1人が罹患すると言われており、欧米の7~8人に迫る勢いです。
決して他人事ではなく、いつ誰が罹患してもおかしくありません。(2016年現在)
しかし乳がんは完治しやすいがんでもあり、女性が罹るがんの、年間罹患数が1位で7万人に対し、年間死亡数は5位で13000人ほどで、比較的完治しやすいがんと言えます。
《2015年の部位別罹患数と死亡率》
罹患数 | 死亡数 |
1位 乳房 | 1位 大腸 |
2位 大腸 | 2位 肺 |
3位 肺 | 3位 胃 |
4位 胃 | 4位 膵臓 |
5位 子宮 | 5位 乳房 |
《ステージ別の生存率》
5年生存率は、ステージⅠ=95%、ステージⅡ=88%、ステージⅢa=76%
ステージⅢb=66%となっていて、早期で90%以上治ります。
(※がんの性質によるので、この限りではありません)
その為、早期発見・早期治療が重要となってくるのですが、年1回の医療機関での検診はもちろんのこと、月に1回自己検診をすることによって、しこりや異変に気付きやすくなります。
乳がん自己検診方法
月に1回、次の方法で自己検診を行ってください。
閉経前の方は、月経前~月経中は乳房が張りますので、月経終了後に行うと良いでしょう。
- 鏡の前で、腕を降ろした状態と腕を上げた状態でチェックします
乳房にひきつれ、えくぼのような凹み、ただれや炎症はないか。左右差はないか。乳首の向きや陥没がないかをチェックします。
(しこりがあると場所によっては、皮膚が引っ張られ凹みが出来たり、乳頭近くに出来ていると乳首の向きがおかしかったり凹んだりするからです)
自己検診だけではなく、年1回の医療機関での乳がん検診を!
月に1回の自己検診だけでは不十分です。必ず年1回の医療機関での乳がん検診を受けましょう。マンモグラフィー、超音波(エコー)、視触診の3つの検査が必要です。
マンモグラフィーでは、広範囲の読影が出来、乳がんの初期症状の一つである、石灰化の発見に優れており、超音波は手に触れないしこりや乳房の病変の発見に優れています。
マンモグラフィーでは乳腺が白く写り、20代~30代の若い世代の乳腺が発達した乳房では、腫瘍との区別がつきにくいと言われますが、このように腫瘍の発見に特徴があるので、3つの検査を受けることが望ましいでしょう。
受診するのは乳腺外科です。お近くにない場合は外科に受診しましょう。
乳がん検診を行っている婦人科もありますがお勧めは致しません。